おっさんたちが一言も喋らず黙々ととんかつを食らう。〜水道橋 とんかついもや〜 | Yacchaooze!

おっさんたちが一言も喋らず黙々ととんかつを食らう。〜水道橋 とんかついもや〜

水道橋

水道橋の大学病院で、先ほど親不知の抜歯が終わった。
70分にも及ぶ大手術だった。
口の中に電動ドリルぶっ込まれ、ミノで叩き割る、を何度も何度も繰り返す。
まさか口の中でDIYされるとは夢にも思ってなかった。
しかも、どうやら難儀な親不知だったようでとにかく、硬いというのだ。
すごい硬いなあ、え?41歳なの?
私の歯のレントゲンを写したモニターを見ながら、失礼なことを言う。
彼によるとどうやら、年を取ると歯と骨がガッチリとくっ付いていくらしいが、私の年ではまだこのような現象は稀だというのだ。
手術しながら稀だとかいうのは勘弁してほしい。
恐怖すぎる。
そんなことを医者がブツブツ独り言を言いながら、私の口の中のDIYは続く。
こっちは、焦げ臭い匂いと顎が外れそうなほどガンガンと叩き割る衝撃にたえるだけである。
もう、ただただ怖いし、この拷問がいつまで続くか分からないのだ。
やっと終わったとき、彼はいやぁ長くなってすいません、お疲れ様でした、と私に頭を下げた。
これを大学病院じゃない町医者でやったらリアル拷問以外の何物でもないと、心底思ったら、感謝のかぎりである。
こちらこそありがとうございました、と椅子から立つとき、ケツが湿っぽい。
まさか!と手を当てたら、汗だった。
これでガッツリ漏れてたら、41歳なのに、信じられないとまた言われたのだろうか。
危ないところである。
今日はもう疲れた。
ひどく疲れた。
とにかく、静かに過ごそうと思う。
今は麻酔がまだ効いてるが、痛みとの戦いになるだろうから。
ああ、あと、また一回あるのか、、、

なんとかテンションを上げないと倒れそうなので、いもやに行く。
舌が半分麻痺しているが、逆側でトンカツ食ってやろうと。
店に入ると11時過ぎにもかかわらず、もうすでに10人くらい待っている。
寿司屋のような白木のカウンターだけの店なので、食べられるのは20人くらいだ。
全ておっさん。
この量のおっさんが一言も喋らず黙々とトンカツを食している。
その後ろで何もせずに、ただ座って待っているおっさんたち。
このストイックな光景は間違いなく美味い証拠である。

久しぶりに食ったが、いやあ、米が美味い。
おひつにいれた米は、やはり美味い。
いやこんな美味かったか?ここ。
トンカツは柔らかくて豚肉の油の旨味が口の中で広がるのだが、トンカツを米で攻めてこられると旨さ一気にが上がる。
しかし見事に誰も話さない。
メニューはロースしかないから、食うか払うしかない。
みんな、最後にゴッソーサンと、一言だけ。
いやあ、男だ。
携帯弄って、写真撮って怒られてるチャラいのは俺くらいだ。笑
今度は、天ぷらのいもやに行こう。

店名とんかつ いもや<閉店>
ジャンルとんかつ
電話
予約可否なし
住所
営業時間
定休日
プロフィール
この記事を書いた人
賈島禅師

蕎麦が主食の酒飲み。
食を追求するあまり、自ら作るようになる。
発酵食品の研究に余念がない。
夜は鎌倉界隈を放浪している。
寺社めぐり好き。

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