酒とロックとファンタジー | Yacchaooze!

酒とロックとfantasy

酒場というのは、趣向のつながりを作れる場、である。
そこには、人との出会いがあり、酒を通じて、老若男女、社会的地位も気にせず、気の合う人たちと与太話で盛り上がる。
そもそも、腕のいいマスターなんていうのは、酒を作るというよりも、客と客をつなぐ仕事である。
マスターと話が盛り上がれば、横にいる常連さんにも話を振っていつの間にか、三人で話していたり、何度か通っていれば、そうそう、こないだ話してた〇〇さん、なんていう感じで紹介してもらったりする。
こうして、中年同士で酒を交わすこともあれば、リタイアしたオヤジに新卒の女の子が仕事の悩みを相談していたり、クダを巻いてる30代くらいの主婦と旦那の下ネタで腹が捩れるほど笑ったり。
かと思えば、40代と30代のおっさんの苦労話に、20代の女の子が入って楽しそうに笑っていたりする。
酒、という趣向でつながっているから歳とか立場とか一切関係ないのである。
こうやって、飲み屋のマスターの天才的な采配で場ができあがる。
まあ、はたから見たら、カオスな世界なのかもしれない。
だが、私にしてみれば、昼間の仕事だけでは会えないような人達と笑って話せるというのは、自分がたどってきていない人生や考え方を垣間見るのは、実に楽しいし勉強にもなる。
少なからず、コミュニケーション能力ってやつは磨かれるし、自分が少なからず色眼鏡で見ていたこと、例えば、最近の若者は酒も飲まない、なんていうことが、ただの思い込みでしかないことが目の前で証明されたりする。
さらに、ここに音楽だのロックだのという、好きな物の趣向がかぶさってきたら、なおさら盛り上がる。
音楽好きの私にしたら、ロックBARだのミュージックBARだのというのは、それだけでファンタジーだ。
そんな大人の笑い溢れる大人のファンタジーランド、それが酒場なのだ。
だから、一日が終わると、だいたい私は独りで飲み歩く。
もちろん、それを媒介してくれる酒も好きだが、誰かと一緒に飲む酒ほど美味いものはない。
結局、私は、人が好きなんだろう。
だから、いつも、独りで、ふらりと酒場に顔を出し、夜の顔の誰かと一緒に酒を飲む。
そのときの自分は、昼間の誰でもない。ただの客。
何にも気を使わないで適当なことを言って、笑かしたり、笑ったり。
こういう時間って、誰にだって必要なんじゃないだろうか。
だけど、多くの人たちは飲み屋に独りで行きにくい、だなんて言ってるのを周りでよく聞く。
じゃあ、ふらっと独りで行ってもなんか面白くなりそうな、大人のソロ活動に最適な飲み屋をここでは紹介しようと思う。
こういうところからの出会いが、自身にもたらすものって、決して小さくはないと思うのだ。