十割そば。
この言葉に込められた、ほとばしるシズル感と期待感。
だが、十割だからって、確実に美味いとは限らない。
ネトついたり、パサついてしまったりするからだ。
十割の魅力は、ハマったときのバツグンな突き抜け感。
立ち食いごときに、これを期待してはならないのだろうが、十割そば、と看板に書かれてしまっては、店の前を通り過ぎるわけにはいかない。
嵯峨屋は、立ち食いそば屋にしたら比較的小綺麗な、カウンターのみの店内。
すでに満席。
二、三名並んですらいるのだが、ここは突っ込んでいかねば。
券売機で、500円の天ぷらそばを買い、大盛にする。
1分ほどで席が空いた。
太いそばと、細いそばを選べるのだが、店員に冷やしは太いそばがオススメだと言われ、従う。
左隣のもさもさの枝毛の長髪に、スダッズのついたサンダルを履いているおっさん。
せいろ二枚重ねで、半端ない食いっぷり。
右隣のおっさんは、天ぷらせいろ。
ここはせいろなのか、と思いつつも、厨房で1つづつ、丁寧に揚げているかき揚げを待つ。
おお。ビジュアルは悪くない。
かき揚げをつゆに浸すが反発してくる。
反抗期のかき揚げ。
生意気なやつだ。
箸で千切った、サクサクのかき揚げとそばを口の中に放り込んだ。
おっと!キタこれ!突き抜け系。
そばの喉越しもいいのだが、そばに弾力を感じる。
噛むと分かる、弾力とその奥にある十割そばのちょっとした粘り気。
まるで、ツルッツルのたまご麺のような食感。
このそばは、喉で感じるのもいいが、歯で感じる美味さ。
太いそばを勧められた理由をやっと理解した。
そばに絡むつゆは、控えめだが旨味が深い。
十割そばの魅力を前面に押し出す、名脇役。
立ち食いで、十割の凄さ爆発。
次回はせいろで太そばと向かい合いたい。
近くにあったら毎日通うレベル。
嵯峨谷って、チェーン店なのに、店によって味も違うんだよな、、、
池袋と浜松町が美味い気がしてならない。
ご馳走さまでございました。

店名 | 嵯峨谷 池袋店 |
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ジャンル | そば、立ち食いそば |
電話 | 03-6907-0049 |
予約可否 | 予約不可 |
住所 | 東京都豊島区南池袋1-24-5 |
営業時間 | 10:00~23:00日曜営業 |
定休日 | 無休 |