黒くグルーヴィーなラーメンとチャーハン。〜麻布十番 新福菜館〜

麻布十番の新福菜館。

狂ったように温度が下がり、真冬みたいになった夜。
飲んだ帰りに、もう寒くて入ったけど、まぁいいか。
外の自販機で食券を買う。

出てきたのは真っ黒なラーメンとチャーハン。
久しぶりに、好みのラーメンに出会えた。
だけど、かなりあっさりとしたシンプルな醤油ラーメン。
飲んだあとに、最高のやつね。
もう完璧。
一言も喋らず黙々といただいてしまった。
うかうかしてスープも危なく完飲するとこだった…
なんだろ、この、隙のある、ラーメン。
しょっぱくもないし、過度な旨味があるわけじゃない。
なんか足りないのだが、ない事で全体が完成されている。
まるで、休符に音を感じるベーシスト。
あぁ、黒いなあ…ブルージーだなあ…
直球ワンコードできやがったなあ…
小躍りしたくなるなぁ…
少なくともここ五年くらいでナンバーワン。
音をガンガン詰め込んだようなインスパイア系とか家系とか、うるさすぎちゃうんだよね。
若いうちはいいんだけど、もういいや、みたいな。
こういう渋い玄人好みの食べちゃうと、ほかのラーメンが小手先に感じちゃう。

チャーハンも、炒飯、という文字通り、米を炒めた食感と醤油が焦げた香ばしさでひたすらいける。
チャーハン、ラーメンのスープ、チャーハン、スープ、スープ、ビール、チャーハンみたいな、あたりまえのスリーコードも心地よいのです…
いやいや、なんでも、基本て、ほんと大事。
また近いうちにお手合わせ願いたい。