山下達郎がひたすらかかってるラーメン屋。
久しぶりに多賀野に。
まず並んでいないことがない。
休日の晴れた日なんか、大行列でおそらく1時間以上並ぶんじゃないか?
今日は、たまたま珍しく空いていたから、突撃。
店の音楽は、ほとんど、山下達郎しか流れていない。
もしくは、たまに、サザン・オールスターズ。
カウンターに通されると、女将が切り盛りして、旦那が出汁を取ってる。
麺担当はバイトか社員さんだ。
記憶が正しければ、豚鴨のつけそばを最初食ったのだが、、、
おお、美味いな、程度。
印象に残らないのだ。
なのに、翌日とかに思い出すと、あれ?また食いたいぞ?となる。
一週間後とかに行列が短いタイミングを見計らって、再訪して、違うメニューを頼む。
あれれ?美味い。美味い、ぞ?と。
三回訪問して、おやおや、こりゃ、半端ねぇな、と、分かる。
多賀野の凄いのは、一回食った程度じゃ分からないところ。
スープの深みって、出汁だから、この出汁にこだわってる。
見てても、旦那さんが、一回一回、煮干しだけの出汁を取っていたり。
とにかく、エグミを出さないように、ということなのだろうが、普通だったら、こんな事やってらんないだろうから、全部ぶっ込んでスープ取る。
カウンターから見てるだけでも、こんなことしてるわけだから、仕込みとなったら、とてつもないこだわりがあるんじゃないか。
化学調味料の味は一切しないし。
そういう手間ひまを惜しまず、作り込まれたスープ。
そこに、風味豊かな、麺。
つけ麺なんて、麺だけでひたすらイケるくらい。
だから、食うたびに美味しさが分かってくる。
そりゃ、みんな虜になって、並ぶわな。
多賀野は、「辛いつけそば」というのが有名なんだが、最初食った時はなんかピンと来ずに、がっかりした。
二度、三度とトライしていくと、この味の意味が分かってくる。
SPICY。
スパイスって本来こういうもんで、この最高の旨味を堪能しろ、と。
最終的には、中華そば、が一番ハマる。
毎日食えるラーメン。
毎日食っても、飽きない。
しかし、最初に、この中華そば食ったら、二度と来なかったかもしれない。
それくらい、インパクトがない。
人によっては、味しないんじゃないか?みたいな感想を言うのではないだろうか。
よくあるラーメン屋のラーメンって、インパクト狙ってくる。
そりゃ、最初の一発目が記憶に残らないと、リピートしてくれないから、店側としてはわかりやすい味にしたくなるのはよく分かる。
音楽でいうと、耳障りのいい音楽をみんなやりたがる。
マーケットに迎合しないと売れないからだ。
でも、多賀野はそういうの味をやらない。
売れるもんなんていくらでも作れる。
でも、これが、最高なんだ。分からねぇなら食うな。
食い続ければ分かる。
こういう声が聞こえてくるのだ。
毎日、毎日、きっとひたすら研究を続けているのだろう。
まるで、ストイックなミュージシャンのようである。
孤高の天才。
音楽で言うなら、音の職人。
そう、多賀野は、ラーメン界の山下達郎なのだ。
店名 | 中華そば多賀野 (たかの) |
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ジャンル | ラーメン、つけ麺 |
電話 | 03-3787-2100 |
予約可否 | 予約不可 |
住所 | 東京都品川区中延2-15-10 |
営業時間 | 【月・火・木・金・土・日】 11:30~14:30 ※スープが終わり次第終了日曜営業 |
定休日 | 水曜 |