東五反田の有楽街の外れにある、やらいでか。
駅から近いのに、場所が有楽街の中心からいい感じに離れた、結構シブい立地だ。
このお店にはじめて行ったのは、ここを手伝っている方からの紹介だった。
挨拶ついでにお伺いすると、オーナーの中神さんは、作業しながらでもいいですか?と、カウンターの串を入れるショーケースの前で、ひたすら串を打ちながら対応してくれた。
え?これ一本づつ、お一人で打ってるんですか?と聞くと、そうですよ、ウチは串メインでやってます、と、まるでリズミカルな音楽に身を委ねるような、手慣れた手付きで肉と串をさばきながら、話してくれた。
こういう手間暇惜しまず、一本一本を串打ちをしてる姿だけで美味そうだ。
カウンターの奥に目をやると、備長炭と七輪が。
お酒は日本酒が中心。
ここ多分、相当凄まじいんじゃなかろうか、と想いを馳せながら、今度夜にお伺いしますね、とお伝えし、店を後にした。
後日、当日直前に6人でテーブル席を予約。
7時なのに満席の勢いだ。
焼き場は中神さん一人、ホールにも一人で回して忙しそうだ。
店に着くと、案内されたテーブルには、「いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます。酔い一日になりますように!」と私の名前が筆文字で描かれたカードが添えてあった。
この手間を思うと、直前に予約しちゃったのに、ありがたいなあ、と思って、席に付いた。
カウンターの向こう側で、店長の中神さんは焼き場で黙々と炭火台と向き合っている。
店内は美味そうな香りで充満していた。
まず、お通しが大根おろし。
この大根おろし、甘さが際立つ。
いまから肉を食らうわけで、先に消化しやすいように、という心遣いもあるのだろう。
最初にこういう先手をされたと思うと、どんなのが来るのかと楽しみになってくる。
酒も日本酒も焼酎も充実。
でも、やはり、ここは日本酒。
日本酒スタート。
そして、まず、頼んだのが、自家製コンビーフ。
しっとりとして口当たりも滑らか。
これだけで永遠と飲めるんじゃないかくらいの旨味。
次は牛ハラミのたたき。
山葵でいただく…
悶絶。
こういうのが食いたかった!というのがドンと出てくると堪らないな…
と、ちびちび飲んでると、やってきました、メインの串!!
肉巻きから、はらみからバラ肉まで、先日中神さんが丁寧に打っていたもの。
一口食えば分かる。
口の中が、とんでもない充足感に満たされる。
串ってこんな美味かったっけ?と、炭火と串焼きの奥深さに驚かされる。
酒もどんどん進み、串も次々と消えては、焼いたのが追加される。
頼み過ぎじゃないのか?
でも進んじゃう。
なぜ、この店をいままで素通りしていたのか。
この店の前何度も通ったのに。
仕事関係の人を連れて行っても、友人と一緒に行っても、誰でも絶対に気に入るはずだ。
間違いなく、五反田の名店の一つである。
会計を終え、店を出るときに、外まで来てくれて、お土産にバブをもらった。
ゆっくり風呂につかって疲れを癒やしてほしいという心遣いだろう。
ひとつひとつにもてなしを感じつつ、また来ますね、と店を後にした。
さあ、二軒目は有楽街かな。
店名 | 江戸前串 やらいでか(yaraideka) |
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ジャンル | 居酒屋、焼鳥、串焼 |
電話 | 03-5422-6910 |
予約可否 | 予約可 |
住所 | 東京都品川区東五反田1-6-1 結城ビル 1F |
営業時間 | 【火〜土】17:00〜24:00(L.O.23:30) |
定休日 | 月
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